チアリーディングはいつ頃始まり、どう発展してきたのか。また、日本での変遷についても解説していきます。

チアリーディングの起源

1860年代にアメリカのアイビーリーグの大学のスポーツイベントにおいて、群衆が声援としてチャント(掛け声)を行ったのがチアリーディングの始まりといわれています。徐々に観客の中の一人が全体を巻き込んで応援する様になり、ついには1898年に大学生のジョニー・キャンベルが席から立ち上がり、
学生団を導いてチャントを始めた、これがチアリーディングの起源とされています。

その後、スポーツエンターテイメント文化がアメリカ全土の大学・高校のスポーツイベントに広がるとともに、チアリーディングも発展していきました。観客をさらに楽しませ鼓舞するために、ボード、旗、メガホン、ポンポン、腕の動き、パートナースタンツやタンブリング技術が加えられ、チアリーダーのパフォーマンスとその効果が向上しました。

1930年代ごろまではチアリーディングチームの大半は男性で構成されていました。しかし、1941年にアメリカが第二次世界大戦に参戦し、多くの男性が戦争に参加するためにアメリカを離れると、チアリーディングは女性が大多数を占めるようになり、現在もその傾向が続いています。

チアリーディングの発展

1960年代にアメリカで全国チアリーディング協会(NCA)チアリーディングの組織化と競技化が進みました。これにより、技術やパフォーマンスの水準が向上し、競技チアリーディングが誕生しました。

アメリカのプロスポーツチームにおいては、NFLワシントン・レッドスキンズ(現・コマンダーズ)のオーナーがマーチングバンドを雇いハーフタイムショーでダンスを披露させたことがきっかけとなり、1950~60年代にかけて、各々がチアグループを組織していきました。

1970年代後半からチアリーディングの競技会がテレビ放映される様になると、アメリカ全土のチアリーダーがその高い技術を知ることになり、タンブリング、ジャンプ、ピラミッドなどのスキルが急速に向上しました。
また、スポーツイベントエンターテインメントへの需要の高まりにより、日本を含めた世界中にチアリーディングが普及していくことになります。

2003年には全米オールスター連盟(USASF)が設立され、競技ルールを統一したことで、チアリーディングワールド Cheerleading World(通称ワールド)を全米でもっとも権威のある大会としました。
そして、2004年にはチアの世界的組織化のために国際チア連盟(ICU)が設立。現在は世界中から120ヵ国が加盟しています(2024年6月現在)。
さらに、ICUは2021年に国際オリンピック委員会(IOC)に正式に承認されました。

日本のチアリーディングの沿革

日本では1980年代に女性たちを中心に人気が高まりましたが、当初は大学の伝統ある応援団の中で活動することが主でした。

1987年に日本チアリーディング協会の前身となる団体が設立し、翌年に第1回全日本チアリーディング選手権大会が開催され、チアリーディングが体力と運動能力を要するスポーツとして徐々に認知されるようになりました。
また、1989年にはアメリカに西海岸に本部を置くユナイテッドスピリットアソシエーション(通称USA)の日本支部が始動し、その後も日本の各地で競技会が開催されるようになると、競技力の向上と安全面での整備が進みました。

近年では学校に所属するチーム以外に、社会人や子どものチームも増え、また日本のチームが世界大会でメダルを獲得するなど、人気とともにレベルも上がってきています。

プロスポーツの現場でも多くのチームがチアリーディングチームを採用し、チアリーダーの活躍の場が広がっています。

<参考文献等>
田村桃子(2002). アメリカ文化に根付いたʼ観せるスポーツʼ-チアリーディング・その歴史、日本におけ る現状と今後-
佐野信子(2020). チアリーディングとジェンダー:応援する「主体」としてのチアリーダー
USA cheer、ICU国際チア連合、Cheerジャパン HP

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