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チアリーダーの経験を活かし、将来的にチアインストラクターへのキャリアチェンジを考えている方も多いのではないでしょうか?
実際、近年ではチアダンスのスクールが全国的に増加しており、指導者としてのニーズはますます高まっています。

しかし、“踊る側”から“教える側”への転身は決して簡単ではありません。
私自身もチアリーダーからチアインストラクターへキャリアチェンジした際には、数多くの壁に直面しました。また、チアスクールのディレクターやチアインストラクター養成講座の講師を務める中で、多くのチアインストラクターの方々と出会い、様々な相談を受けてきました。

「どうやったら子どもたちに分かりやすく伝えられるのか?」
「保護者への対応が上手くいかなくて不安…」
「誰にも相談できない環境で、正解が分からない…」

こうした悩みを抱えるインストラクターの声を、これまで何度も耳にしてきました。

このコラムでは、チアリーダーからチアインストラクターへのキャリアチェンジで直面する3つの壁について取り上げ、それぞれの具体的な問題点とその解決策をお届けします。

<目次>
1. 生徒への指導方法に悩む「教え方の壁」
2. 保護者や生徒への伝え方に苦労する「コミュニケーションの壁」
3. 1人での奮闘に限界を感じる「相談相手がいない壁」
4. まとめ

1. 生徒への指導方法に悩む「教え方の壁」

チアリーダー時代は、振り付けを見てすぐに覚えることができたかもしれません。しかし、インストラクターになると、生徒が理解できるように「わかりやすい言葉」で動きを説明しなければなりません。
「もっと大きく手を動かして!」という抽象的な指示では、生徒は何をどう変えればいいのかわからないのです。

また、同じクラスに通う生徒でも、成長のスピードは人それぞれです。上達の早い生徒もいれば、なかなか覚えられない生徒もいます。個々の生徒に合わせて教え方を変えなければならないため、全員が一斉に上手くなるわけではありません。

そして、「何がわからないのか、本人もわかっていない」ということが多々あります。生徒が「できない」と感じる原因を把握し、的確なアドバイスを与える力が求められます。インストラクターにとって、生徒の「わからない」に気づく力は大きな課題の一つです。

私自身も、チアインストラクターに転身した当初はまずこの壁にぶつかりました。特に悩んだのは、「自分自身は伝えているつもりでも、生徒には全然伝わっていなかった」と感じた時でした。いま振り返ると、一方的に自分のやり方を押し付けてしまっていたな、と思います。

解決策

「教え方の壁」を乗り越えるために、私が実際に行った工夫をいくつかご紹介します。

まず大切なのは、動きを“分解”して教えることです。例えば、ターンの指導では、最初に足の動きを中心に練習し、その後で手の動きを加えます。これにより、生徒は1つ1つの動作に集中でき、成功体験を積みやすくなります。

次に、具体的なフィードバックを心がけることです。「もっと大きく動いて!」という抽象的な言葉ではなく、「腕を耳の横までしっかり上げよう」といった具体的な動作の指示を出すように意識しました。また、指摘する際には必ず「良い部分」を先に伝え、次に「改善点」を伝えることで、生徒のモチベーションを維持することができました。

最後に、生徒自身に考えさせる質問を投げかけることです。「今のジャンプ、どうすればもっと高く飛べるかな?」といった問いを投げかけ、生徒自身が考えるきっかけを作るようにしました。すると、ただ指示を受けて動くだけではなく、自ら気づいて動く習慣が身につき、成長スピードが明らかに変わりました。これらの工夫を続けることで、以前よりも生徒たちの理解が早くなり、指導に対する自分の自信もついてきました。

2. 保護者や生徒への伝え方に苦労する「コミュニケーションの壁」

次に苦労したことは「コミュニケーションの壁」です。チア講師は生徒への声かけだけでなく、保護者の方とのやり取りも加わるため、予想以上に「伝える力」が求められることに気づきました。

例えば、連絡事項やレッスン内容については、適切なタイミングで的確に保護者の方へ伝えることが求められます。 しかし、ただ一方的に情報を伝えるだけでは不十分で、各家庭の事情や生徒の状況に合わせて判断し、相談や調整を行う場面も少なくありません。

また、保護者の方から「うちの子をもっと前に出してほしい」といった要望や、レッスン内容に関する意見をいただくこともあります。 私自身、チアインストラクターを始めたばかりの頃は、自信が持てず、こうした場面でどう対応すればいいのか非常に悩みました。 保護者の方や生徒の要望に応えるべきか、クラス全体の方針を優先すべきか迷いが生じ、「本当にこの対応で良かったのか…」と不安を感じる日々が続きました。

そして、クラスの中には様々なタイプの生徒がいます。チアダンスが大好きで常にレッスンに全力で取り組む子もいれば、なかなか積極的になれない子もいます。そのため、生徒一人ひとりの性格や成長スピードに応じて、伝え方や対応を工夫する必要がありました。

解決策

この「コミュニケーションの壁」を乗り越えるために、私が意識したのは、「相手の立場に立った伝え方をすること」です。まず、保護者の方とのやり取りでは、こまめなコミュニケーションを心がけました。レッスンの前後は準備や片付けで慌ただしい時間ですが、保護者の方が不安を抱えている様子が見えたときは、できるだけ時間を作り、話を伺うように努めました。

また、保護者の方の要望には必ず感謝の言葉を添えることを心がけました。ご要望に対しては、「ご意見をありがとうございます」とまず感謝を伝えた上で、クラス全体の方針を示す形で対応するよう意識しました。当初は、ご意見すべて応えようとして疲弊していた時期もありましたが、「全員が成長するための最適な方法を考える姿勢が大切だ」と気づいてからは、心の余裕が生まれました。

さらに、生徒に対しては、一人ひとりに合った声かけを意識するようになりました。積極的な子には「もっとできるよ!」と成長を促す声かけをし、そうでない子には「小さな成功を積み重ねさせる」工夫をしました。

3, 1人での奮闘に限界を感じる「相談相手がいない壁」

インストラクターとしての活動を始めてしばらく経つと、「誰にも相談できない孤独感」に悩まされる瞬間がやってきました。チアリーダー時代はチームで動くことが多く、常に相談できる仲間が周りにいましたが、チアインストラクターは基本的には“1人で動く”仕事です。

レッスンの進め方や振り付けのアレンジ、新しい技の導入方法など、「これで合っているのか?」と不安を感じる場面は数え切れませんでした。私が指導を始めた時は、今ほどチアスクールの数もなく、またチアインストラクターとして働いている人も少なく、どこから情報を得たら良いのか苦労しました。

私自身はチアリーダーの友人や先輩に相談しながら対応することができましたが、インターネットからたくさんの情報が得られる現代でも、チアインストラクターに対する専門的な情報はまだ少なく、振り付けや指導法についての具体的なアドバイスが見つからないことが多いのが現状です。

解決策

この壁を乗り越えるために、まずは友人やチアリーダー仲間を頼り、当時はまだ少なかったチアの指導者を探して相談に乗ってもらいました。

また、チアの協会や団体が主催する講習や研修会に積極的に参加し、講師の方に直接質問をしたり、そこで出会った仲間と情報交換を行うようにしました。 同じ立場で悩みを共有できる仲間と連絡を取り合い、現場のリアルな情報を共有できたことは、孤独感の解消に大きく役立ちました。

「一人で悩まない環境」をつくることこそが、何よりも大きな解決策だと感じています。 小さな悩みでもすぐに相談できる仲間がいることで、不安にとらわれる時間が減り、指導にも余裕が生まれるようになると思います。

4. まとめ

チアリーダーからチアインストラクターへのキャリアチェンジは、“踊る側”から“教える側”への大きな転身です。その過程では、このような壁に直面することも多いでしょう。

しかし、これらの壁は決して乗り越えられないものではありません。ここでお話しした解決策や色々な工夫を続けることで、必ず解決の糸口が見えてきます。

私自身も、たくさんの悩みを抱えながらチアインストラクターとしての経験を積んできました。最初は何もかも手探りでしたが、一人で抱え込まずに仲間とつながり、学び続けることで、“教える楽しさ”を実感できるようになりました。 失敗や苦労があったからこそ、「成長する喜び」を味わうことができたのだと思います。

チアインストラクターの仕事は、単に技術を教えるだけではなく、「人の成長を支えるよろこびを味わえる仕事」です。生徒がやりとげた瞬間の笑顔や感謝の言葉は、何にも代えがたいものです。

「今のままでは不安…」「私にできるだろうか?」と感じるのは、誰もが通る道です。だからこそ、焦らず一歩ずつ進むことが大切です。

2017年にスタートしたチアインストラクター養成講座では、チアリーダーからチアインストラクターへのキャリアチェンジの際の壁を乗り越えるお手伝いをします。

「チアインストラクターとして実践的な指導力をつけたい!」
「子どもに教える具体的な方法を知りたい!」
「同じ想いを持った仲間とつながりたい!」
そんな方におすすめの講座です。

もし、今「インストラクターになりたいけど、私にできるのかな?」と悩んでいるなら、まずは一歩踏み出してみてください。

最初の一歩を踏み出せば、その先には仲間がいて、サポートがあって、成長の喜びが待っているはずです!

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▼このコラムを書いた人

Moeko Shimadaプロフィール