Moeko:試合中の応援もマスクを付けてるの?
Mari:はい、付けてます。
Moeko:なるほど。
この状況の中でチアリーダーとして出演する場面も減ってるわけだけど、
Mariのチームメイトたちはどう感じているのか、聞かせてもらっても良い?
Mari:それが意外とみんな楽観的ですね。
フルタイムで働きながら趣味としてチアリーダーとして活動している人がほとんどなので、
練習が減って自分の時間が増えたことを前向きに捉えている人が多いです。
Moeko:そうなんだ!
Mari:できなくて悲しい、っていう意見は1回も聞いてないですね。
Moeko:そうなんだね〜。
働きながら趣味としてやってる人が多いということは
じゃあ命かけてチアやってます、っていうより
自分の生活の中で可能な範囲で活動するっていうイメージなのかな?
Mari:うちのチームはそういう人が多いですね。
Moeko:そういう雰囲気なんだね。
私は昔、アメリカのチアチームにいた人が立ち上げたチームで活動していたんだけど、
その時のルールは年齢じゃなくてチームの所属年数で上下関係が決められていたな〜
そういうのってMariのチームでもある?
Mari:ありますね。
前のディレクターの時は所属年数順に良いイベントに行くことができたり、
っていうのはありましたね。
日本の様な上下関係がアメリカにはないので、
何かで優先順位を付けないと腑に落ちないんだと思います。
Moeko:あるんだね。
Mari:自分が1年目の時はルーキーだけの練習があったり、
直接ディレクターに質問しにいかない、などがありましたね。
それはなぜかというと、かなり細かいことやどうでも良い様なことも
上の人に聞きにいっちゃう人も多いので、そういうルールになっていましたね。
あとは自分のやりたい、やりたくないという意見がはっきりしている、
というのはこちらで感じますね。
話は少しそれるんですが
アメリカ人は主張が強いっていうイメージだったんですが、
それって人に対して「あなたはこうした方が良い」って言ってくることだと思ってたんです。
でもそれは一切なくて、人に対してはすごく褒めるんですよね。
私が意見を聞きに言っても悪いことはほとんど言われなくて。。
Moeko:それはディレクターからも?
Mari:そうですね。ポイントで言ってくれたりはしますけど、
基本は褒めてからプラスこうしたら更に良いよ、っていう感じですね。
Moeko:なるほどね。
Mari:その代わり、イベントに行きたい、行けないっていう意見は本当にはっきり言いますね。
ディレクターや上の方に対しても。
これが主張が強いってことなんだなー、とこちらに来て学びましたね。
Moeko:例えばどんな意見があるの?
Mari:結婚式があるとか仕事の都合で難しいとか、自分のスケジュールがはっきりしていて
チアを無理やり優先させることは少ないかな、って思います。
チームからはシーズン初めに
「ホリデイに試合が入ったとしたら、チアリーダーとして試合を優先する必要がある。
もし今年あなたにとって大きなイベントがあるのであれば、今年はあなたが受験する年ではない」
というアナウンスがあるんですが、
実際活動が始まってからスケジュールのことを言うメンバーは少なくはないですね。
Moeko:なるほど。
その辺りは契約には入っていないの?練習を何回休んだら試合に出れないとか。。
Mari:契約書には書かれてないですね。
ただ、試合のある週の練習に参加できなかったり、
忘れ物や遅刻があると試合に出れなくなるというのはありますね。
なので、試合当日に会場についたら、何人かいなくて。。。あれ?みたいな(笑)
Moeko:何人もいないって(笑)
Mari:コレオグラファーの人が急遽その人の穴埋めに入ったりしてましたね。
Moeko:びっくりっていう(笑)
まぁ、その辺りのルールは日本と同じなんだね。
Mari:そうですね。
ただ、試合は通常7万人も入りますし、
プロのアメフトの試合でパフォーマンスすることは特別なので、
基本的にはそこをミスしない様にみんな気をつけてますね。
プライベートは全然違いますが(笑)
Moeko:うんうん。
去年チームが大きく変わってからはどうだった?
Mari:そうですね、男性だったりチアリーディング出身など色んな価値観の人が入ってきて、
またベテランも少なかったので練習に対してルーズになる場面がありましたね。
なので、試合の時にいないメンバーがいたり。。
Moeko:そんな時にMariはベテランとしてどうしたの?
Mari:去年は序盤に怪我をしてしまったので。。
まずは早くチームに戻らないといけないという気持ちで、自分のできることをまずはしようと。
せっかく合格させてもらって活動する機会を頂けたことを裏切らない様にしたいと思い、練習には
毎回出て、ビデオを撮ったりメンバーにアドバイスをしたりしてました。
また、言葉にできない分、態度で表せる様にしていました。
Moeko:そういうのって大事だよね。
Mari:見てくれる人は見てくれていたと思います。
Moeko:うんうん。
今シーズンはMariはチームの中でどんな役割?
Mari:うーん、けっこう静かな気もしますけど。。
Moeko:えー?(笑)そうなの?
あ〜でも思い出すとそうだった気がする。
必要な時は盛り上げてくれるけど、自分に集中する時はきちんと集中してるっていうイメージ。
Mari:今も、やらなきゃいけないことはきちんとやるっていう基本的なことですかね。
ダンスを覚えてこない人もいたりするので。。
自分がちゃんと練習していることを見せて、良い影響を与えられたらと思っています。
Moeko:さすがだね。
アメリカだと、それだけじゃなくて自分の成果をアピールすることも大事
っていうイメージもあるけど、そこは実際どう?
Mari:うーん、そうですね。
やってきて、と言われたことをやってこない人も多いので、
自分が当たり前にやっていることが自然と評価されて、
パフォーマンスで前の方で踊らせてもらえたという感じですかね。
ディレクターの話をしっかり聞いたりとか、、
日本では当たり前のことだと思うんですけど。
こっちだとディレクターが話しているときに寝っ転がっちゃう人もいるので(笑)
〜Moekoより
このインタビューをしながら思い出したのは、
Mariが試合やイベントの出演時はもちろん
真摯に手を抜かずにどんな練習にも取り組んでいたことです。
練習の時は常に笑顔、
これって当たり前の様で意外とみんなができることじゃないんですよね。
彼女はウォーミングアップとか、そういう時から100%のスマイル。
だから自然と目がいっちゃうんです。
移動する時もいつも素早いし、
試合中も隙間時間を見つけては常に練習。
チームメイトに聞きながら新しいテクニックを練習したり。
そんな姿勢がチーム全体に良い影響を与えていました。
アメリカでも同じ様に評価されていると聞いて、とても嬉しいし、
さすがだなーと心から尊敬します!
インタビューはまだまだ続きます。
次回はアメリカと日本のオーディションの違いについて
お聞きしています。